最近導入したテレビモニターで映画を流している。
朝の仕込み中、レタスをちぎっている時に流れたこのシーン。

見るともなく見ていたら、いつのまにか引き込まれてしまった。

8ミリで撮影した粗い画像。
そして、その中で幸せそうに佇む人達。

10年以上前に観たはずなのに、初めて観たかのようなその映像は僕の心の何かを刺激してきた。

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「一番好きなビートルズのアルバムは?」難しい質問だが、僕の答えは「The Beatles(通称ホワイトアルバム。BLACKBIRDも収録されている)」だ。各自がバラバラに曲を作り、バラバラに演奏し録音されたこのアルバムが、未だに僕の心の何かを刺激する。理由は分かっている。昔から、引っ掻き傷の様なスクラッチノイズに惹かれる。ロックの金字塔と言われる「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Cub Band」よりも、自宅のリビングで録音した鼻歌の様なデモテープに恋焦がれる癖はまだ治っていない。僕の心の傷に、粗塩を塗ってうすら笑っている下品さ。なのに、他のどのアルバムよりも優しさに溢れている。

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自分の心に、忘れられない引っ掻き傷をつくりたくて、音楽や映画に触れているようなもの。その傷が深ければ深いほど、僕たちはかけがえのない感動を手にできるはずだ。

シネマブラックバード、来月上映は35ミリの映写機。
チラチラもするし、ガタガタ音も鳴る。
でも、そのフィルムは僕らの心にわすれれられない傷を残してくれる可能性を秘めている。

「DVDやブルーレイではなく、フィルム上映にこだわってみる」というのも、冷凍庫のないトラットリアが主催しているシネマプロジェクトらしくていいような気がする。