アルゼンチンに長く住んでいた方と話をしていた時のこと。
その方は、お客である僕らにアルゼンチンの魅力について熱く語ってくれた。
「毎日牛肉と赤ワインでもぜんぜん飽きなかった。むしろその美味しさに本当に感動した」
「みんな南米はどの国も治安が悪いと思っているみたいだけれど、アルゼンチンはかなり安全。首都ブエノスアイレスですら東京と同じくらいの治安ですよ」

ひとしきり語った後で、最後にこう付け加えた。
「住むならアルゼンチンですが、旅行するなら絶対にブラジルを選びます。アルゼンチンは暮らしやすいけど退屈。確かにブラジルは治安は悪いけれど、あんなに魅力的な国は他にはない。理屈じゃなく血が騒ぐんです」

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今日のバンコでの会話
「僕が若い女の子だったら、ここの扉を開ける勇気はないね。こんなおっさんが立ち飲みしてるような訳分かんない店、とてもひとりで入ろうとは思わない」

オープンしてもうすぐ2年。
水戸中の変わり者が集まって来ている感がある最近のブラックバード。
全く知らない人にはかなり敷居が高くなっている気がする。
実際に気がするだけじゃなくて、全くの新規のお客さんの足がかなり遠のいている現実がある。
売上も昨年対比を割らないようにするので精一杯。

さて、どう舵を取ろうか?

入りやすいけど退屈なアルゼンチン路線?
ガラは悪いけれど血が騒ぐブラジル路線?

答えは最初から決まっている。
どう転んでもいつかは死ぬ。
だったら、半端じゃないエネルギーを放出して、理屈じゃなく血が騒ぐような店にしたい。
若者がドキドキして入れないようなオーラを纏いたい。
それでも入ってきてしまう若者を心から受け入れたい。

机上の空論はまっぴらだ。
迷っている間にサンマは腐っていく。
そして腐ったらただのゴミだ。


南米じゃないけれど、血が騒ぐ。