県立図書館で半日分のブログを書き、候補エリアの地図をコピーし、それを片手にとにかくひたすら水戸市街を歩く。とにかく人がいないことに驚く。ここ数年で郊外に大型ショッピングモールがいくつか出来て、あんなに活気があった銀杏坂、50号沿いも空き店舗ばかりだ。本当にこの地で商売ができるのだろうか?
雨が降ってきたので芸術館のミュージアムショップで雨宿りをする。やっぱり芸術館が持つ雰囲気っていいな。のんびりしてるけど凛として背筋が伸びた感じ。
物件その1の前まで歩き、その前で人の流れを眺める。日曜だからか雨だからかオリンピックの閉会式だからかぜんぜん人が通らない。やっぱりここで商売をやるのは無謀なのかな。あのおっさんが言っていたこともあながち間違いじゃないのかもと急に弱気になる。
歩いていると大きな不動産屋を見つけたのでとりあえず入って探している店舗の条件を話す。対応してくれた方がすごくいい方で(まあ昨日がああだったから・・・)すごく親身になっていろいろ出してくれる。結局二つよさそうなものが見つかり、その中の一つをすぐに内見する。
場所は希望していた芸術館エリアからは外れるが、駅と芸術館とのちょうど間くらい。メインの通り(50号)から一歩入ったところで元薬屋。92㎡(27.8坪)とかなり広い分、家賃が予算オーバー。1階の角地で窓が大きくとってあり日が差すと気持ちよさそう。中もすごくきれいで、エアコン、トイレはそのまま使えそう。そして今までの物件との一番の違いはオフィス街なので人通りが多く(今日は日曜なので確かめたわけではない。不動産屋談)、特に平日のランチはかなり期待できそう。難点はほぼスケルトンなので、厨房機器等初期投資が結構かかりそうなこと、予定より広く家賃が高いこと。
blackbirdはtrattoriaだが、立ち飲みのbar(バール)も併設しようという計画があり、バリスタとして元ダイニングの山田藤雄が腕をふるってくれることになっている。
山田は6月ごろ突然働かせてくれと言ってきて、頼んでもいないのにドリンクメニューを作ってきたり、コーヒー豆の仕入れ場所を調べてきたりと、人件費がかさむのを恐れる僕を尻目にいつのまにかblackbirdの重要な位置を押さえてしまった。僕としてはそれまで料理を中心に考えていたが、立ち飲みのいわゆる「バンコ」がある店をいつかやってみたいと思っていたからある意味願ったりかなったりではあった。ただ、そのためにはやはり物件選びがかなり重要になってくる。物件その1はトータルで面白いことが出来そうだが、バール向きではない。その2は1よりはバール向きの物件。公園にも近く、ドリンクのテイクアウトもやりようによっては出来る位置だ。そういう意味ではその3が一番バール向きの物件と言える。物件選びとは難しい。
blackbirdは4人のコアスタッフで運営していく予定だ。
シェフは僕。バリスタに山田。ウェブの管理、広告、広報、経理等は妻の亜紀。もう一人は今交渉中なので明かせないが、サービスとキッチン補助を担当してもらおうと思っている。
いずれも僕が信頼し、僕を信頼してくれるスタッフが参加してくれる。しかもわざわざ水戸に引っ越してまで。こんなにありがたいことが他にあるだろうか?スタッフ全員の生活がかかっているから僕自身相当のプレッシャーはあるが、現地で人を採用して育ててという面倒な過程がないし、すごく面白いことができるという確信がある。他に負けない強力な磁場を持つことが出来ると思う。
夜は僕の先輩のタイ料理屋「アウルス」へ行く。
ヒロさんが水戸の駅の近くで独立し、もう6年にもなる。実家に帰ってくるたびにアウルスに遊びに行くのが楽しみで、僕が水戸で店をやろうと思ったのもヒロさんの存在がすごく大きい。店を出すときも最初に相談し、今日もたくさんアドバイスをもらった。やっぱり現地で長く店をやっている人の意見は貴重だ。なにより引っ越しても旨いタイ料理が食えるのがうれしい。