オープン直後、知り合ったばかりの同業の先輩に「そんなに‘こんつめて’働くと長く続かないよ。オープンしたばかりで気合い入るのはわかるけど、もう少しスローダウンした方がいい。お客さんにとっていい店というのは長く続く店なのだから」とアドバイスされた。「なるほどそんなものかなぁ…」と思ったけど、力の抜き方がわからないまま7年目がもうすぐ終わろうとしている。僕は全く体力や腕力に自信がなく、体育会系と言われる飲食店は全くもって向いていない。だからとにかく楽しいことを見つけて夢中になる。湧き出すアドレナリンを力に変えて、女子高生並みの握力(それが具体的に幾つなのかはわからないけど)で今日もカルボナーラ300グラムのナベをふるのだ。
このBlogに関して「業種は違うけど共感できる事ばかりです」という感想をいただくことがある。結局のところ、料理について、飲食店について、大好きな音楽や小説や映画について一般論ではなく個人的なエピソードを細かく書けば書くほど、それらの言葉は普遍性を帯びて誰かの心に響く。僕は僕自身をレモン絞り器にかけて、カラッカラのカスしか残らないくらい毎日毎日絞り切る。具体的に「飲食業界を変える」とか「地域を引っ張る」とかそんな目的ももたず、ただただ店に足を運んでもらうため、ブラックバードに興味を持ってもらうためだけに今日も無い知恵絞るのだ。