ゆうべは遅くに寝たが、8時には目が覚める。

朝食を食べたらすぐに水戸へ。常陸太田からは車で30分の距離だ。千波湖の駐車場に止める。朝の千波湖は空気が澄んでいて本当に気持ちがいい。芸術館の方向に歩いていると、空き物件が目に入る。7月に視察に来たときにも空いていた元サンドイッチ屋でぼろぼろの一軒家。管理している不動産屋にすぐに問い合わせてみると、15坪で、家賃も相場。最初の物件よりも人通り、集客もありそうで、芸術館まで100メートルほど。かなり理想的な物件だろう。なんとなく富ヶ谷のフレッシュネスバーガー1号店を連想させる。内見はまだだが、自由にやれればすごく面白そう。

ちなみに物件その1

芸術館から徒歩4分。元そば屋→焼肉屋。2階建ての総面積140㎡。1階の2/3を店舗、残りを事務所兼スタッフルームとストックルーム、2階を僕たちの住居として使用する。屋上も使用可。駐車場2台付き。とにかく内外装ともに何をしてもいい。居抜きで1㎡ほどの冷蔵室(!)、3口のガスコンロ、大き目のレンジフード、エアコン。改装費用はかかりそうだが、建物全部で面白いことができそう。ただ、周囲に人通りがなく、わざわざ来てもらうための工夫が必要。


23/Aug/2008

8時前に起きる。

びっくりするほど涼しい。東京もそうなのだろうか?長袖を持ってきていないからどこかで買わなきゃ。

実家がネットがつながっていないため、どうすればネットができるかを調べると、どうやら市営の生涯学習センターというところでできるらしい。優子(妹)が起きてくる。どうやら今日一日ヒマらしく、物件の内見に付き合ってもらう。優子は実家にいて、水戸の大学を卒業し、水戸の福祉関係の会社で働いている。水戸事情にはかなり詳しいはずだ。

約束は13時からなので、その前に早めのランチをすることに。水戸周辺で一番流行っているというパスタ屋に行く。数年で数店舗に広がっているそうだ。う~ん、これで流行るんだろうか?確かに店内はこぎれいだし、メニュー数はバカみたいに多い。でも・・・。

 

さて、最初の物件ですが、結果からいうと

「すごーくよかった!」

です。ただ、水戸の北口エリアが本当に人が少なく、その物件の周りも土曜日なのに歩いている人はほとんどなし。どんなにいい物件で、かっこよくして、おいしいものを出しても、お客さんに来てもらわないことには話しにならないっていう一番大切な条件で疑問が残る。

 

15時にもうひとつ、別の不動産屋で住居用の部屋を見せてもらう。

約束の不動産屋の中に入って「お電話した沼田ですが・・・」と告げると

60歳くらいの社長と思しき人に明らかに嫌な顔をされる。

社長「おたくお勤めは?」

僕 「はい?・・・少し前まで東京でコックをしていて、近々水戸でパスタ屋をやろうと思っています」

社長「は?それで、どこら辺でやろうと考えてるの?おたく水戸の人?いや水戸はね、最近すごい厳しいの知ってる?特に洋食でしょ?」

僕 「(さっき見てきた物件の詳細が書かれた紙を見せる。半ば呆然としている)」

社長「(ぱっとみてすぐ)五軒町?あぁダメだね、こりゃ。絶対こんなの借りちゃダメ。おたく本気でやろうと思ってるの?半年持たないね、すぐつぶれるよ。」

僕「(言葉もなく、どうしていいかもわからない)そうでしょうか・・・」

社長「そう、絶対!もうね、この辺のこの通りは何屋を出してもダメ。こんな物件に~万も払うなんて。おたく本気でここにする気なの?」

僕 「まだわかりませんが、悪くないと思ってます」

社長「あのね、水戸で流行ってるのは日本そば、うどん、ラーメン、その3つだけ。あとはバタバタつぶれてるよ。場所も駅前のこの辺と、ダイエー裏と大工町のこのエリアだけ。あとは全部ダメ」

僕 「・・・」

結局15時にそこに入って丸1時間、いかにその物件がだめかの話を聞かされる。

やっぱり自分はよそ者なのだ。ロン毛でひげで、ジーンズでスニーカーで練習しなきゃ茨城弁も話せず、地元に親しくしている友人もほとんどいない。高校を卒業してから13年、最初に故郷を捨てたのは自分のほうなのだ。いまさら地元愛を叫んでも、地産地消を謳っても都合がよすぎるってもんだ。わかっていたつもりだけど、どうしようもなく悲しくなる。そしてこの目の前のおっさんの言ってることもあながち間違いではない。盛り上がっているところに頭から冷水をぶっ掛けられたような気分。

これは本当にダメな物件なのだろうか?

本当に半年でつぶれるんだろうか?


22/Aug/2008

娘の熱は今日も下がらず、おねつほいくえんに。

ブログを見た友人からリクエストがあり午前中はまたまたCD作り。ここまでくるとちょっとしたインディーレーベルを始めたかのよう(blackbird recordかぁ・・・レーベルのマークはエンブレムが使えるし、意外といいかも・・・笑)機材はうちのe-Macとプリンターのみ。それで10日でトータル80枚以上焼いたことになる。亜紀もさすがに呆れている。でもいいのだ。いい音楽は人生を豊かにしてくれる。そう信じているし、少なくても僕の場合はそうだった。

12時前に終わらせて病院へ。薬を変えてから調子がいいことを伝える。血液検査をして1時間ほどで終わる。帰りに2か月分の薬を受け取る。すごい量でうんざりする。でも仕方ない。まずはきちんと治すことを優先せねば。

一度家に帰り実家に出発の準備。

1週間以上滞在することになる上に、店用の資料もたくさん持っていくから結構荷物が多い。

車を買ったのは1年半前。通勤途中にバイクで事故ってからだ。

買ったのはラシーンの後期型、色は薄いカーキ。マニュアル車。

車を買うならラシーンと僕も亜紀も決めていたが(そういう好みは結構合う)、当時すでに絶版だったため探すのはそれなりに苦労したのを覚えている。そして維持にも結構金がかかり、一時は買ったことを結構後悔したが、今はこのとき買っておいてすごくよかったと思っている。まず車を乗ることに対する抵抗がなくなったことがとても大きい。当時僕は免許は持っていたがペーパーで、ほとんど車に乗る機会もなかった。でも買ってすぐに実家まで車で帰ったことで、車を持つこと、実家で暮らすことがすごくリアルなこととして思えたのだ。これはとても大きなことだった。

17時に杉並を出発して、環八と外環が結構混んでいたにもかかわらず、常磐道はガラガラで19時半には常陸太田に着いた。結構近く感じる。

久しぶりに父親と酒を飲む。去年定年を迎えた父。老けたなぁ。

オリンピックを見たり、朝撮った娘のビデオを巨大なプラズマテレビ(どうして田舎のテレビはあんなに巨大なんでしょうね)で見て笑う。娘がメイに似ているという話で盛り上がる。

さすがに疲れたのか、10時前には寝てしまう。


娘の熱が下がらず、今日一日「おねつほいくえん(病児保育)」に預けることに。一緒にいてあげたいが、医者がいる病児保育の方が安心だし、今日一日やることも多い。

車で2人を送った後、家に戻り立川店のスタッフのためのCDを作り、メッセージを書く。アパートの解約の書類を書き、大家さんに電話をする。駐車場も解約する。毎月送ってもらっているミネラルウォーターも解約しようとするが、水戸にも送ってもらえることが分かり継続することに。ここの水、結婚してすぐに始めたからもう6年飲んでいるけど、おいしいし、たまに届くノベルティーもすごくかわいくて、おすすめですよ。

保育園に迎えに行く前に、浜田山のツタヤに寄る。

買った本。

「ワイナート」「ワイン王国」→両方イタリアワイン特集で内容もすごい充実。

高かったが、新しい情報も必要だと思い両方購入。

「果実酒とジャム」→店で自家製の果実酒を季節ごとに出していきたいため購入。

夕飯はてんぷら。オクラとかぼちゃが好評。

食事中もそれ以外も、亜紀とは顔を合わせれば店の話、イタリア旅行の話ばかりで、

最近娘が拗ねている。


エンブレムのプロトタイプができました。

blackbirdにちなんで鳥かごをモチーフに。



昼過ぎに起きてコーヒーを煎れ軽い食事をとる。

二日酔いではないが、全身に鉛のような疲れが残り、寝不足で頭が上手く働かない。

娘が夕べから具合が悪く、熱がある。目も調子悪い時の二重だ。

二日前に届いていた物件のファックスに目を通す。地元出身の友人が、不動産屋に声をかけてくれていたつてで、条件に合う物件があったらファックスが届くようになっているのだ。

元焼き肉屋の一軒家で、1階が70㎡の店舗、2階が70㎡の住居。ちょっと広いけど、2階が住居って言うのがなにしろ魅力的だし、賃料はやや高めだけど、店舗前に駐車場が2台あるから気にならないかと。外観は絶望的なまでにダサイけど、それは何とかなる範囲かも。 

早速不動産屋に連絡し、土曜日に内見することに。

軽く興奮する。

 

4時頃から早めの夕食を作る。時間をかけてゆっくりと。

キャベツ、ピーマン、厚揚げをそれぞれ別で炒め、細切りにした大和芋、オクラ、大葉を乗せ醤油とごま油をかけたメインディッシュ。大根とわかめのみそ汁、玄米、梅醤番茶。

 疲れた体に負担がないように作る時と同じように少しずつゆっくり時間をかけて食べる。

とてもおいしい。

今年に入ってから、手のしびれと胸骨の軋むような痛みが続き、あまりにもひどいので2月に病院に行くと「関節リューマチ」と診断された。原因は過労。それがきっかけとなり、妻の亜紀が独学で勉強し、自宅の食事をマクロビオティックベースに切り替える。たった1ヶ月の間に専門書が何冊も積まれ冷蔵庫の中身もがらっと変わった。肉を食べないことに最初は抵抗があったが、すぐに慣れて、徐々に素朴な料理がおいしく感じられるようになってきた。好きな酒も日常的には飲むのをやめ、甘いものも出来るだけ控えるようになる。

劇的に変わった食生活はblackbirdのコンセプトにも反映され、魚と野菜だけでやろうと思ったのはその影響がすごく大きい。「マクロビオティック料理」と銘打つことはしないが、すごく勉強になるし、いい部分は積極的に取り入れていこうと思う。

 

※病気のこと、ここに書くのはずいぶん悩んだが、そのこと自体が僕に与えた影響は大きく、一度きちんと書いておこうと思いました。いい医者が見つかり、ひどくなってはいないので、くれぐれも御心配なく。


最終勤務日の昨日は朝から忙しい一日だった。

昼前に出勤し、ランチのハンバーグを大量に焼く。最近ではみんなおいしいと言ってくれるハンバーグも、最初は上手に焼けずに本当に苦労したことを思い出す。専門店に食べにいき、本を何冊も買い生地の配合を調べ、焼き方も何度も何度も試し、ようやく完成した今のかたち。ハンバーグだけではなく、全ての料理に於いてそうだったのだが、師匠を持たず、いきなり現場の料理長になった僕にはそうして失敗を重ねながら少しずつ良くしていく方法しかなかったのだ。アシスタントに質問されて、答えられず、悔しい思いもたくさんした。すごく大変で時間もかかってしまったが、結果それで良かったと思う。そうして体に刷り込むようにして覚えた料理を、自分の店のメニューにしていこう。

来てくれる人やお世話になった業者さん一人一人に挨拶をし、連絡先とこのブログのアドレスを渡す。早めに店のドメインを取得してブログを始めておいてよかった。休憩時間にメッセージカード入りのCDを持って社内を挨拶して回る。店のロゴマークもぎりぎり間に合い、希望通りCDのジャケットにできた。あまりに素敵な仕上がりに心の底から満足する。ずっとこういうことがしたかったんだってあらためて思う。みんなの暖かい励ましの言葉に上手く言葉を返せない。CDをすごく喜んでくれる人が多く、うれしくなる。作った甲斐があったなぁ。ナガオカさんがミーティング中で直接渡せなかったのが残念だが、来月また挨拶に伺おう。

ディナーになっても忙しさは止まず、ミーティングが押して仕込みが大きくずれ込んでしまった。バタバタだ。でも一皿一皿可能な限り丁寧に作る。どれも何百皿と作ってきたものだ。料理をしている時は結構無心でしていることが多い。集中しているともまた違う、無な感じ。体が勝手に動き、流れに身を任せるように作る。やっぱり感慨深く、何度か視界がかすむ。寝不足で神経が尖っているのか、ここ何日か涙腺が緩くなっているようだ。10時を回って社内に残っていたスタッフが何人か食べにきてくれる。拍子抜けするくらいあっさりとラストオーダーの声が掛かる。もう少しドラマチックなものを想像していたが、そんなものだろう。すごくホッとする。

残った仕込みを終わらせ、ストックルームを出来る限り片付ける。木曜日からはしばらくキッチン3人での営業だ。その大変さを想像すると心が痛む。

いつもなら0時前の終電で帰るところだが、飲みに行くことになり、そのまま残って社内向けに最後の挨拶のメールを書く。書いてる途中でダイニングの大下さんが来てワインをくれる。ルーチェ2004赤。スーパー・トスカーナだ。そして驚いたことにソムリエナイフも貰う。自身がずっと愛用していた大切なもののはず。「いいから使って」と言われなにも言えなくなる。僕ならそんな大切なものを人にあげられるだろうか?

ロッカーを片付け、九品仏の庄屋まで歩く。中に入ると予想以上にたくさんの人が来ていてうれしくなる。だらだらとくだらない話をする。とてもリラックスしてすごく楽しい。久しぶりに酒を飲み、すぐに眠くなるが、結局庄屋の後、24にも行き、明るくなって朝のラッシュの人たちに白い目で見られながら帰る。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ダイニングでの4年間、とにかく働き詰めでした。

もし、自分に才能と呼べるようなものがあるとすれば「じっと耐えて我慢することが出来る」という一点かもしれません。そして、僕が独立するまでの過程には、過酷な労働が必要だったと今では思います。遠回りしたけど、全く無駄ではなかったと。D&Dに参加できて本当に良かった。たくさんの素敵な出会いに感謝します。

ありがとうございました。

そしてこれからもよろしくお願いします。


朝、出勤前に大阪店と札幌店にMixCDを送る。さすがに全員分は無理だったけど、全曲収録の4枚組スペシャル盤。喜んでくれるといいな。

ディナータイムには今日もたくさんの友人がダイニングに来てくれる。メールもたくさん。あまりにも時間が無く、一人一人に返事が出せていない。またこの場を借りて。ありがとうございます。

帰りの東横線の中で、元キッチンスタッフの安達さんからもらった手紙を読む。とてもストレートでシンプルな内容に読み終えて涙が止まらなくなる。
安達さん、ありがとう。こちらこそよろしく。

帰ってからはCDの仕上げ。Dのスタッフにはまだこのブログのことは公表していないから、明日CD受け取って、聴きながらこのブログを読んだらどんな感じなんだろう。想像するとわくわくする。一人一人にメッセージを書いていると、いろんなことを思い出しなかなか進まない。

気づいたらこんな時間。寝なきゃ。

明日は本当に最後の日。


今日はDの元スタッフが大勢来てくれました。

最後にはお花まで戴いて。なんか有り難いですね。

 

3ヶ月前、まだコンセプトを探っているときのこと。

知り合いの食材業者の方に「パスタ屋をやろうと思うんです」と相談すると「もうかりませんよ」という返事が返ってきました。「小麦、チーズ、オリーブオイル、全部値上がりしてますからね。ここからさらにどこまで上がるかもわかりません。どうがんばっても原価で全部もってかれちゃいます。沼田さんなら素直にエスニックやった方がずっと儲かりますよ」と。

大儲けしようとは思わないけど、暮らして店を続けていけるくらいは稼ぎたい。なにかいい方法はないかと考えていたら急に思い出したんです。那珂湊のおさかな市場のことを。最後に行ったのは確か高校生の時だったかな。魚も値上がりしてるけど、市場ならずっと安く仕入れられるはず!と思って先月一度行ってみたらやっぱり正解でした。魚の新鮮さ、安さ、種類等、一気にテンション上がりました。あえて難点をあげるとすると安く仕入れるためには量を多く仕入れなければならないこと。でもそれを逆手に取って肉類を使わずに魚介と野菜だけのパスタ屋もおもしろいかな。

寿司屋並みに新鮮な魚介で作るパスタ屋

最初のコンセプトはこうして決まりました。

 

那珂湊おさかな市場


今日で定期が切れました。

少しずつ終わりが近づいているのを感じます。

まぁ店が忙しくて感傷に浸ってるヒマも無い・・・。

今週は一人夏休みを取っていて、3人でキッチンを回していたんですが、お盆で忙しかったこともありなかなか大変でした。blackbirdのキッチンは僕一人もしくはアシスタントを入れても二人で回そうと思っているんですが、本当に成立するのかな?しかも僕は朝魚市場まで買い付けに行くのに・・・。よっぽど効率よくやらないと回らなくなりそう。メニュー的にはパスタ中心で、米を使ったものは考えてません。そのかわりパスタの種類は可能な限り増やそうと思ってます。リゾットもやりたいけど、そこで無理するなら乾麺だけじゃなく手打ちパスタを何種類か日替わりで出したいな。

それから自家製のフォカッチャ。この前近所のリサイクル屋でほぼ新品の家庭用全自動パン焼き機が¥3500で売ってて「これだ!」って(笑)。まだ試してないけど、生地だけこいつに任せて上手に使えばランチとディナーに焼きたてで出せるかも。でもこんな小さい洗濯機みたいなので本当においしく焼けるんだろうか・・・。

しかし、眠い。

あと3日!がんばります!