11月21日 晴れ

朝起きると鼻がぐずぐずでくしゃみがでる。どうやらまた風邪が戻ってきたらしい。熱はなく、頭痛と関節痛も無かったので薬を飲んで普通に仕事をする。午前中は融資のための書類書き。

お昼を食べて少し昼寝をしてから市役所へ印鑑証明を取りに。これも融資のため。そのまま実家に帰り、店の前に置こうと思っているベンチをもらいに行く。ボロいけど結構いい感じなのだ。

 

帰り途中に現場に寄ると工事用の枠が外れてファサードが全開に。

 

レセプションまであと・・・・・15日

グランドオープンまであと・・・20日


11月20日 晴れ

午前中まずは現場へ。今日・明日床の塗装を行うらしく、きれいに掃除されている。いよいよ仕上げの最終段階だ。

その後、営業許可証取得手続きのために保健所へ。あらかじめ用意しておいた書類、店の図面、調理師免許、付近の地図等をもって相談に行くと意外とあっさり検査日が決まる。そして許可証の手数料が5年分でなんと3万円弱!高い!でももらわないことには店が始められないから払う。

午後は車検が来月で切れるため手続きへ。またお金がかかるが、車は仕入れに毎日使うもの。これも無いことには話にならないから必要経費。

帰宅して八百屋、牛乳屋とアポをとる。酒屋からも連絡があり、来週ワインの試飲会。そして金融公庫から、融資がおりる旨連絡がある。そろそろ来てもいい頃だったから内心ヒヤヒヤしていたんだけど、よかった。

アキは加入した青色申告会から帰宅。かなり丁寧にいろいろ相談に乗ってくれるらしい。会費はいくらかかかるけど、経理についてほぼなにも分からない状態だったから、かなり助かる。

夜、仕事をしていると鼻水が出始める。早めに寝たほうが良さそうだと判断。

ブログは明日に回して寝る。

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グランドオープンまであと・・・21日


11月19日 晴れ/でも寒い。

起きて昨日書いたブログを見ると誤字脱字でひどいことになってる。寝ながら書いてたからなぁ(と言い訳させてください)

 

10時にキリンビールの水戸支社で営業の方と打ち合わせ。一緒にメルシャンの営業の方ともお話させてもらい、来週ワインの試飲会をすることに。お二人とも職業柄僕よりも水戸の飲食事情に精通されており、いい機会だと思い持って行ったメニューサンプルを元にいろいろ相談してみる。

 

その後現場へ。ここにきて工事が若干押している。クロスの下地が悪かったらしく、もう一度やり直している個所がある。早く搬入させてくれないと家がもので溢れてしまう!

 

厨房屋から電話があり、厨房機器がなんとか揃いそうだという話。もう無理かと思って、リースのこととかを調べ始めていたからすごい助かる。

 

一度帰ってお昼。パスタを作ったらなかなかの出来。少しずつエンジン上げて行かなきゃ。

 

午後は食材業者とのアポ取り。来週搬入が全部終わる頃に来てもらえるように手配する。しかし、落ち着いて料理できる日は本当にくるのだろうか?オーナーシェフなんてそんなものかもしれないけど。

 

夜は中学の同級生のモリちゃんとメシ。モリちゃんは水戸が長いのとざっくりした性格とでやたらとトモダチが多い。引っ越してきたばかりのフジオ夫妻とももうトモダチだし。感覚的に近いのか、アキともすっかり打ち解けて娘もめずらしく懐いている。なんというか頼もしい。

 

ちょっと飲んでいたし帰って寝たかったが、耐えて仕事。

 

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グランドオープンまであと・・・22日


11月18日 晴れ/とても暖かい

9:00

世田谷区奥沢から環八をずっと北上。

10:00

東京外環道に入る手前になかなか大きなリサイクルショップを発見。ひとまず入ってみることに。店の準備をするようになってから、結構な数のリサイクルショップを見て回るようになったんだけど、売ってるもので使えそうなものは1%も無いんじゃないかな。特に、グラスや食器は数はあるんだけど妙に高かったり、柄が入ってたりでほぼ全滅。でも探していた電子レンジの未使用品を発見。価格.comの最安より安い。ラッキー

10:30

東京外環道の川口ジャンクションから首都高へ。新郷で降りてとりあえずはらごしらえ。

12:00

テンポス4店舗に計9時間滞在。車に積みきれないほど、いろいろなものを買う。終わった頃にはぐったりしたけど、なかなかいい買い物が出来た。

                                    19:00

無事買付けも終わり水戸へ出発。

レセプションまで・・・・・18日

グランドオープンまで・・・23日


11月17日 晴れ/とても暖かい

9:00

水戸出発。常磐道〜東京外環道路〜環八。

11:20

アキが引越前に受けた健康診断の結果を聞きに行きたいというので同乗し、娘と一緒に荻窪で降りる。井の頭通りに入って代々木方面へ。この辺りは元ホームタウンだから、地図を見なくてもぜんぜん平気。

12:00

タイミングよくLIFEに到着。残念ながらオーナーさんとはお会いできなかったけど、キッチンのシェフの方が出てきてくれてお話しする。日替わりのパスタ「サーモンのクリームソース」を食べる。実に旨い。サラダの付け合わせのトマトも湯剥きしてあって、さりげなく手が込んでる感じが伝わってくる。スタッフの方もみんないい顔で働いている。いい店だなぁ。お会計の時に、8月に出版されたというレシピ本を購入。これまたいい本。オープンして20分ほどで満席になり、僕が帰る頃には外で待ってる人が数人いた。そりゃ人気出るわな。

せっかく来たからちょっと足を伸ばしてルヴァンへ。ここ何年か、結構なパンを食べたけど、沼田ランキング堂々の1位がルヴァンのカンパーニュ。初めて食べた時びっくりした。「なにこれ!」って。最近話題のシニフィアンシニフィエも凄いおいしいと思ったけど、びっくりはしなかったもん。なんか強い「念」のようなものがこもっている気がした。今日止めてもらう友人と家の土産に半分ずつ買う。

 

13:00

山手通り〜R246〜環八〜第三京浜。

14:30

横浜港北のIKEAへ。店用の買い物を少しする。家用にも欲しい物がいくつかあったけど、ぐっと我慢。でもいい買い物出来たかな。

15:50

自由が丘の病院へ。

仕事を辞めてから、体調はずっといい。薬の量もへらしていいそう。インフルエンザの予防接種と採血をしておしまい。次は3ヶ月後らしい。

18:00

D&Dのフリマで岩松さんが買っておいてくれたトイレ用の鏡を引き取りに行く。凄いかっこいい。あの壁紙に、この鏡か。その後、ショップで元同僚達と長話をする。みんなブログを読んでくれているらしく、話が早い。そして、あるスタッフになかなかキツい一言を言われる。

「沼田さんって、ブログ凄い更新してますけどヒマなんですか?」

んなわけねーだろ!(笑)

その後、ダイニングでご飯。久しぶりにだらだらする。

22:30

グラフィックミーティング。ショップカードや、エンブレムのスタンプが完成。もうすごいよ、これ。すごすぎて口開いちゃうもん。

24:00

お願いしていた元同僚の家に。店のこととかいろいろ話す。急な来訪なのにさりげなく気が利いたおもてなしはさすが。

25:00

就寝。つかれた。

 

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グランドオープンまであと・・・24日


11月16日 雨/晴れ 

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グランドオープンまで・・・25日

ゆうべは結局オープン告知用の資料づくりに没頭してしまい寝たのが3時すぎ。9:00前に一度目が覚め、トイレに行って2度寝したかったけどそのまま起きることに。やることは山ほどある。時間は刻一刻と無くなっていっている。

昨日、旅行記の6日目を書き終えた後アキが感想を聞かせてくれたんだけど、なんというか照れくさい。親とか兄弟とかにもあまり読んでほしくないが、勝手に書いて公開しているのは僕の方だ。読むな!というのが間違っている。でも不思議と評価はほとんど気にならない。書きたいことを書きたいから書く。書きたくなくなったら、書くべきことが無くなったら(店をやっている限りないだろうけど)書かないというスタンスだけは絶対に崩したくない。

午前中からパソコンに向かい、ゆうべの続きをする。自分の店の魅力を文章にするという作業はとても難しい。なんとなく「そうじゃねーだろ!」ともう一人の自分に言われてる気がして嫌だ。

 

午後は、仮で上がっているメニューを見ながら、使用する食材をリストアップ。そのまま業者に持っていけば話は早いはず。

ちょこちょこ覗いていたヤフオクに子供用のいい椅子が即決で出ていて迷わず落札。最近椅子に関してはかなりついてる。こういうの、探してたんだよね。

 

娘は相変わらずお熱。昨日よりはややマシだけど、それでも鼻水が止まらなくて辛そう。日曜日だし、本当は遊んであげたいんだけどね。

夕飯後、また旅行記。もう早く終わらせてラクになりたい。

 

明日、明後日と東京に車で買い付けに。

昼前に新宿のテンポスバスターズ。お昼は代々木のLIFEでランチ。その後自由が丘の病院に寄って、横浜港北のイケアで店の買付け。また戻ってきてデザインチームと打ち合わせ。

翌日は朝から川口のテンポスバスターズ3軒ハシゴ。その後合羽橋。

なかなかのハードスケジュール。


7日目

シラクーサの地図。クリックすると拡大されます。

7:00

起きると体全体が痛い。でも気分はすっきりしている。昨日のハンバーガー屋で食べきれなくて持ち帰ってきたポテトとオリーブでスープを作る。不思議と悪くない味。食事の後、溜め込んでいた洗濯をし持ってきた麻ひもで吊るす。

 

10:00

オルティージャ島で行ってないところに行こうということになり、島の東側に向かって歩くと、学生や普通に島で生活している人たちがたくさんいる。学生はみんなきれいな格好をしていて、好感が持てる。地図を片手にフラフラ歩いていると保育園らしき建物がある。アキと娘が中をのぞくと、外で遊んでいた先生と子供達が近づいてきた。どうやらみんな黄色人種の子供が珍しいらしく、娘に何か話しかけてくる。娘に「みんなと一緒に遊んでおいで」といって促すが、恥ずかしがって固まっている。アキが「写真をとってもいい?」と聞くと、待ってましたとばかりにみんな寄って来る。建物の中にいた人まで呼んで(笑)全員で記念撮影。「ここに住所を書くから、絶対送ってよ!」と言われる。ここの人は子供も大人も素朴でいいな。

 

11:00

歩き疲れたからバールで休憩。日本の自動販売機くらいの頻度でバールがあるが、それはここが観光地だからというわけではないらしく、イタリア中にこういった個人経営の店があるらしい。缶コーヒーの代わりに人がいれたエスプレッソを飲む。エスプレッソは大体どこも1ユーロ(¥130くらい)以下の手軽さ。なんていい習慣なんだろう。

12:00

Akiさん達に会えなくなってしまったので、6日分の宿代と鍵をエノテカのエンゾに渡すことに。エンゾの所に行ってその旨説明するが、英語が通じないためたったそれだけのことを説明するにも一苦労。エンゾは娘のことを気に入ってくれたらしく「チャーオ!バンビーナ!チャーオ!」と写真がブレるくらいの笑顔。普段はほとんど初めての人に懐かない娘もエンゾのテンションに押され、拾われてきた猫みたいな声で「ちゃーお」と返事をしている。なかなか微笑ましい光景。

 

12:30

地球の歩き方に載っていた「ダ・マリアーノ」というレストランでランチをしようと目論むが、どうやら定休日らしくやっていない。残念。途中歩いていると、南国にあるようなきれいな花が咲いていた。日中は長袖のTシャツ1枚で大丈夫だから、シチリアはやっぱり暖かい土地なんだな。歩いていたらまたおじいちゃんに声をかけられる。歩いていても、バスに乗っていても、買い物をしていても「チャーオ!バンビーナ!」だ。娘が照れているのもいじらしくていいのか?

13:00

結局、エンゾの店の前のオープンテラスの気持ちのいいピッツェリアでランチをすることに。野菜のグリル、マルゲリータ、生ハム・アンチョビ・モッツァレラの包みピッツァの3品にビール。野菜はナスとズッキーニとアンディーヴで、味は塩とオリーブオイル。シンプルだけど、グリルされてちょっとスモーキーな野菜はおいしい。マルゲリータも旨かったけど、なぜかバジリコが乗ってなかった。忘れたのか?包みピッツァは生ハムとアンチョビがしょっぱい!ビール飲んでなかったら食えなかっただろうな。最後はカフェ。総合点はまずまずかな。そして、店はかなり暇そうで、ぼーっとしてる店員のやる気の無い姿をカシャリ。昼寝したいんだろうか?自分たちも眠くなったので、娘の昼寝も兼ねて一度宿に戻ることに。


16:00

また外出。今度はオルティージャ島の入口の方に歩いて行ってみる。途中にもの凄く素敵なファサードのリモンチェッロ屋を見つけるが、午後休み中でやっていない。残念。

島の入口付近にあるジューススタンドで休憩。娘は「スッコ・ディ・ペスカ(桃ネクターのようなもの)」。僕とアキは炭酸にレモン果汁を搾っただけの素朴な飲み物。店員のスミ入ってレザボアドッグスにでも出てきそうなお兄さんが素敵な動きで作ってくれる。さすがイタリア男。何かが違う。

19:00

地元の人も通うと評判のシーフードが有名なレストランでディナー。ここは最初から行ってみたいと思っていたけど、ちょっと敷居が高そうでためらっていた店。でもせっかくシチリアまで来たんだと、勇気を出して入ってみる。僕らが2組目の客で、最初の客も夫婦と子供連れなのに少しだけ安心する。カメリエーレもバリッと蝶ネクタイをしていて、動きも優雅。白のハーフボトルを注文したら、この旅で初めてテイスティングを促される。作りおきのアンティパストは取った分だけ加算される仕組みで、豊富な種類に心引かれたが、ぐっと我慢して「インサラータ・ディ・マーレ(魚介のマリネサラダ)」を注文する。今まで食べた中では一番おいしかったが、やっぱりエビがブヨブヨしている。「ブヨブヨじゃなくブリブリしていて欲しいのに!」と思ったが、ひとつ重要なことに気がついた。他の魚介もどこか食感に締まりがないのだ。そしてそれはきっと海流のせいだろう。地中海の温暖で穏やかな波では、僕好みの「身がしまっていて脂が乗った魚」が育ちにくい。それはいいとかいけないとかじゃなく、「そういうもの」なんだ。北海道の魚介と沖縄の魚介が全然違うのと一緒だ。そんな単純なことに気づくのに、ずいぶん時間がかかっちゃったなぁ。でも気づけたのは大きな収穫だった。よくイタリアンとは「地方料理の集合体」だと言われる。その土地で取れたものを塩、オリーブオイル、レモン(または酢)で食べるシンプルな料理。だとすれば、日本のイタリアンがおいしく感じるのは「日本人向けにアレンジされているから」じゃなくて「食べ慣れた日本の食材で作っているから」が正解なんじゃないかな。もちろん例外はあるだろうし、イタリアで食べるものは(当たり前だけど)どれもレベルが高い。それでも結構食べてるのにホームランが出ないのはその辺に理由があるように思える。僕が立てた仮説は本当に正しいのかな。帰るまでに答えが出るのかな。

パスタはウニのペペロンチーノと、魚介とプチトマトのパスタ。ウニの方は期待はずれ。ウニの量が少なくて、味がぼんやりしちゃってる。魚介の方は、カニ・ムール貝・アサリ・マテ貝・エビがたっぷり入ってアルミを外すと磯の香りが「ふわっ」とする演出も見事。うん、旨い!店の奥にはショーケースがあり、大小さまざまな魚介が並んでいる。隣の秤でグラムを計って調理法を決める仕組みなのだろうな。注文したかったけど、日本人の僕らの小さな胃袋じゃ残念だけどもう限界。でもおいしかった。

21:00

気分がよかったからまたエンゾの店で1杯やろうということになる。店は混んでいて、客が自由に外に椅子を持ち出したりしてだらだらやっている(イタリアは法律で公共の場での室内の喫煙が禁止されているからってのもあるようだけど)。エンゾも適当に飲みながら楽しそうに働いている。BGMも50年代くらいのJAZZが流れていて、それがまたいい。調度品とか、装飾とかは実にあっさりしているのだけど、こんなに居心地がいいのはエンゾの人柄なんだろうな。

店の奥にあったワインの樽を撮影させてもらう。イタリア語が出来たらワインや音楽の話がしたかったな。

いろいろあって、シラクーサに戻ってきちゃったけど、エンゾにまた会えたからいっか。


11月15日 曇り/雨

朝、娘に起こされる。アキはゆうべ遅かったらしく、そのまま寝ている。娘がくしゃみをしている。気になっておでこに手を当てるとやや熱い。もしかして俺のがうつったのか。体温は37.6℃。あら、おねつだ。

店の買付けでジョイ本に行こうと思っていたけど、やめて旅行記に本腰を入れることにする。旅行記を書くようになってから、感想のメールがちょくちょく来るようになった。そして、アクセス数が書く前の倍に伸びているらしい。

 

午後から現場へ。トイレの壁紙も貼られている。なかなか個性的な壁紙で、我ながらウケる。やっぱこのくらいしないと。今日で全てのクロスも貼り終わり、いよいよ来週から床の塗装が始まる。終わりまでもう少しだ。

夜もひたすら旅行記を書き続ける。山場の6日目を書き終えてちょっとほっとする。ずーっと6日目のことを考えていたからね。

がんばって明日で旅行記を終わらせよう。

トイレ壁紙。冗談じゃなくて、本気です。


6日目

7:00

どうやら大丈夫だったようだ。寝過ぎで腰が痛かったけど、熱が上がらなかったのは不幸中の幸いと言えるだろう。今日一日なんとかやれそうだ。朝食はアキが買ってきてくれたカプチーノとブリオッシュ。それから昨日僕が寝ている間に買ってきたカンノーリという甘くしたリコッタチーズのスイーツ。なんと1個1000キロカロリーもあるという恐るべき食べ物だが、実際に食べて見るとそんなに重くない。リコッタチーズがふんわりしてとてもおいしい。

レンタカーの予約は11時だから早めにパッキングして、空いた時間でドゥオーモを見に行こうということになる。

9:30

とりあえず、いつも通り市場へ。市場にはこの島の人々の暮らしが本当に良く表れている。この時期のこの地方でなにが収穫できるのか?イタリアに行こうと決めた時、迷わずシチリアに決めたのは、海に囲まれ豊富な魚介を使った料理がblackbirdの方向性とぴったりだったからだ。もう少し時間があったらこの食材を使って料理をしたかったが、今回は見て食べることに専念することに。それだけでも本当に勉強になる。

10:30

ドゥオーモ(大聖堂)に到着。ミラノのドゥオーモよりずっとこじんまりしていたが、親しみの持てるとても素敵な作り。天井が高く、ステンドグラスから漏れる光がすごくきれいでしばらく眺める。ただ積んであるだけの椅子でさえかっこよく思える。宗教的なことは分からないけど、この建物には人の心を動かす何かがやっぱりあるように思えた。そしてそれは極東から来た異人種の僕が見てもはっきりと感じられるほど強いものだった。

11:30

予定より少し遅れて宿を出発。目的地であるエトナ山の麓、ソリッキャータまでは車で3時間の道のり。果たして運転できるんだろうか?無事にたどりつけるのだろうか?

レンタカーオフィスまであと200m、アキのこの一言が僕たちの旅を大きく変えることになる。

「国際免許、持ってるよね?」

—————–

2008/10/21 20:00 Mito(Tokyo)

※出発の前日。パッキング中。

「大切な資料は全部あたしが持っていくから、ケンくんはパスポートだけもっててね。分かってると思うけど、絶対無くさないでね。それと、出発前にもう一回指差し確認しなきゃね。まぁ、パスポートとクレジットカードさえあればなんとかなるんだけどね・・・」

——————

僕「えっ?だって預けてたじゃん。俺パスポートしかもらってないよ」

アキ「えっ?そうなの?あたし・・・、だめだ、ぜんぜん記憶がない。日本を出てからバッグの中で国際免許見てないもん」

僕「とりあえず、AVIS(レンタカー屋)行って、バッグの中もう一度見てみようよ」

※AVISのオフィスの中。以下、全部英語でのやりとり。

アキ「予約した沼田です」

受付「お待ちしておりました」

アキ「それが、国際免許を日本に忘れてきた可能性があるので一度バッグの中を調べてもいいですか?」

——————–

僕「だめだ、やっぱりないよ」

アキ「どうしよう!あたしのせいだ。大失態じゃん!」

僕「とにかく、まだお昼だし、ソリッキャータにたどり着くための方法を考えようよ」

アキ「・・・、ごめん。そうだね。なんとかするしかないもんね」

僕「僕が娘と荷物を見てるから、バスの時間を調べて来なよ。カターニアまで1時間ってことは乗り継ぎ考えても十分間に合うはず。とりあえずAkiさんに電話して事情を話そう。いい案が出てくるかもしれない。」

12:40 Siracusa

※海辺のベンチ。娘と2人でアキの帰りを待つ。

娘「ママ、遅いねぇ」

僕「うん、でもそのうち来るよ」

 

13:00

アキ「14:40のカターニア行きに乗れば、カターニアから17:30発のソリッキャータ行きに乗れるはず」

ここまできたら焦ってもしょうがない。時間までバールでお昼を食べることに。ターボラカルダ(出来合いのお惣菜)は嫌だったが、そんなに時間があるわけでもないし、なにしろ荷物が重いから、マレーナ門近くのBARでツーリストセットを食べる。前菜盛り合わせ、サラダ、パスタかピッツァ、カフェで9ユーロ。前菜は、まあまあ。パスタ、ピッツァは問題外。食えなくはないけど、これならパニーノ食ってた方がまし。そういえばシラクーサでは美味いパニーノ屋に出会わなかったな。ミラノのパニーノが懐かしい。英語が通じるミラノが懐かしい。

14:00

プルマン(長距離バス)乗り場まで市内を走る無料バスで行く。たったそれだけのことなのに「言葉が通じないとどれだけ苦労するか」を思い知る。僕よりずっと英語もイタリア語も理解するアキが奔走し、どうにか乗り場までたどり着く。

14:50

カターニア行きのバスが出発する。なんとか第一関門は突破したようだ。バスからの荒涼とした景色がちょっと不安を募らせる。

 

15:45

カターニアの中央駅でバスを降りる。降りたバス停はバス乗り場でもあり、シチリア各地に向かうバスでごった返している。さて、どこのどのバスに乗ればいいのか?最初は荷物を抱えたままいろいろな人に聞いて回っていたが、どうにもらちがあかない。またしても、安全そうな場所で僕と娘は待機し、アキが調べてくることに。

17:10
娘「ママ、遅いねぇ」
僕「そうだね、遅いね。でも大丈夫だよ。すぐ戻ってくるよ」
17:20
※バスの発車予定時間まであと10分。
アキ「ダメ。全然分からない。誰に聞いても違う答えばかり。バスの切符売り場、運転手ですら全く違うことを言ってくる。どうしよう・・・。Akiさんに電話して、バス会社の時刻表を今調べてもらってるんだけど、それでも間に合わないかもしれない。ちょっと、もう一度見てくる」
17:30
辺りはだんだん暗くなりはじめる。それと同時にいろいろな不安が現実になり始めていることに気づく。この時点で僕たちに残された選択肢は二つ。
1)バスに無事乗れて、AkiさんとFrankのいるソリッキャータにたどり着く。
2)バスを諦めて、カターニアでホテルを探す。
どっちにしても早く動かないと日が暮れてしまう。シチリア第2の都市、カターニアは海沿いの大都市で治安が悪いことでも名を馳せている。実際、バスの中から見た市街地はとても夜ホテルを探し歩くような場所には見えなかった。しかも僕らは言葉が分からない上に、子連れの旅行者。被害にあう可能性は小さくないと判断するのが懸命だろう。
娘「ねぇ、だっだ(僕のこと)」
僕「なに?」
娘「げんきがでるようにおうたうたって」
僕「いいよ〜。なにがいい」
娘「えっとねぇ、アンパンマン!」

♪そうだ うれしいんだ 生きる よろこび
 たとえ 胸の傷がいたんでも

 なんのために 生まれて なにをして 生きるのか
 こたえられない なんて そんなのは いやだ!

 今を生きる ことで 熱い こころ 燃える
 だから 君は いくんだ ほほえんで

 そうだ うれしいんだ 生きる よろこび
 たとえ 胸の傷がいたんでも
 ああ アンパンマン やさしい 君は
 いけ! みんなの夢 まもるため

 なにが君の しあわせ なにをして よろこぶ
 わからないまま おわる そんなのは いやだ!

 忘れないで 夢を こぼさないで 涙
 だから 君は とぶんだ どこまでも

 そうだ おそれないで みんなのために
 愛と 勇気だけが ともだちさ
 ああ アンパンマン やさしい 君は
 いけ! みんなの夢 まもるため

街全体が排気ガスに覆われたようなカターニア海辺のバス停で、沈んでいく夕日を見ながらアンパンマンを歌う親子。

「なんのために生まれて なにをして生きるのか

 こたえられない なんて そんなのは いやだ!」

自分とは対極の下世話で下らない子供だましの歌だと思っていたアンパンマン。極限状態にあるとはいえ自分が歌うアンパンマンに涙するとは。でもそうなのだ。こたえられないなんて、そんなのはいやだからわざわざイタリアまで来たのだ。わからないままおわる そんなのは いやなのだ!

娘は涙を流している自分の父親をみてどう思っただろう?

勤めていた会社を退職し、田舎にUターンし、多額の借金をして、流行るかどうか全く分からない食堂をやろうとしている不安。旅行の最大の目的である「フランクのワイン作りを手伝う」ことがかなわぬ夢に終わってしまうと思うと急によく分からない固まりのようなものが体の中からこみ上げてきたのだ。

18:00

感傷的になってばかりもいられない。今目の前にある危機を回避しなければ先にも後にも進めないのだ。いろいろと調べてくれていたAkiさんから電話がある。

Aki「ソリッキャータまでのバスは終わってしまっていて、その手前のリングアグロッサという街に着来てもらえれば迎えにいけると思う。」

アキ「カターニアでホテルを探して、明日そっちに向けて出発しようと思うんですが・・・」

Aki「でもカターニアは暗くなってから歩かない方がいいと思うよ」

18:10

辺りは既に真っ暗だ。Akiさんから電話がある

「今日は迎えにいけるけど、みんなが帰る日がちょうどブドウの収穫日で車で送っていけなくなりそう。手は尽くしてみるけど・・・」

うん、もう十分だろう。

僕「シラクーサへ戻ろう。あの部屋なら後何日かは泊まれるはずだから。」

アキ「・・・。そうしよう」

19:30

シラクーサ行きのバスに乗る。娘はアキの腕の中ですっかり寝ている。

アキ「もっと怒ったりしていいんだよ」

僕「・・・」

それでもどうしてもアキを責める気にはならなかった。この旅のほとんど全ての予定を立て、格安航空券の購入方法の本を買って勉強し、ネットのレヴューを見て英語で直接ホテルを予約し、ありとあらゆることをしてくれたのはアキなのだ。甘えて、頼ってしまっていたのは僕の方だ。

イタリア旅行もちょうど半分が終わろうとしているこの時、本当においしいと思えるものにありつけていないことで、僕はどこか焦っていた。そしてそれを「娘がいるからしかたない」のだと思うようにしていた。妻と2人なら行動の範囲はぐっと広がり、行きたいところへ行き、食べたいところで食べることができる。子連れでの外食は「グラスを倒して割ってしまったりはしないだろうか」「騒いで他の客に迷惑をかけたりしないだろうか」という不安が常につきまとう。東京でもそうだったのだから、外国ならなおのことだ。でもそれは最初から分かっていた。それを覚悟で連れてきたのは僕たちなのだ。シラクーサでまだやれることはある。きっとあるはずだ。

21:00

シラクーサに到着。空腹が極限に達していたので、途中のハンバーガー屋で遅めの夕食。フレンチフライをキンキンに冷えたビールで流し込むと、抱えていた不安と緊張が一気にほぐれていくのがわかる。
さて、明日はなにをしよう。
また市場に行こうかな。


5日目

6:30

自然に目覚める。ゆうべ結構飲んだのに全然残っていない。楽しい酒は残らないってのは本当なのかな。2人が起き出してくる前に一人で海まで散歩に行く。朝日を浴びた地中海はとてもきれいで、ひんやりとした空気と共に体を洗い流してくれるような気分になる。途中のBARに旨そうなパンがあったからカプチーノ2杯と桃ジュースと一緒にテイクアウトする。

7:30

朝食。昨日食べきれず持ち帰ってきたソーセージ、メルカート(市場)で買ったブドウ、オリーブ、パン、カプチーノ。ソーセージを薄くスライスしてパンに挟むととてもおいしい。おいしいものは冷めてもおいしいのだ。なかなかの朝食に満足する。

10:00

これと言って予定が無かったからまた市場へ行くが、今日は日曜日で休み。そのまま海沿いを歩いて昨日ジェラートがおいしかったBARで休憩することに。娘はまたイチゴ、アキはピスタチオとアマレーナ(チェリー)。僕はちょっと寒かったからカプチーノ。ここのカプチーノはなかなか美味い。サービスのお姉さんはイタリア語の他に英語とフランス語を流暢に話していた。ミラノでは気づかなかったが、シチリアではほとんど英語が通じない。ホテルなんかに行けばもしかしたら通じるのかもしれないが。

そろそろ行こうかという時にぱらぱら雨が降ってくる。すぐ止むだろうと思っていたけど、一向に止みそうにない。しばらくすると雨は土砂降りになりその場で足止めを食らっていた客が全員店内に避難。う〜ん、それにしても寒い。風邪引かないようにしないと。

11:30

雨が一段落したので一度宿に戻ることに。途中細道から見えたトラットリアがとってもいい雰囲気。

12:00

宿に帰ると急に寒気が。「あぁ、やっちゃったかも」と思ってももう遅い。娘用に持ってきた体温計で熱を計るが平熱。でも寒さが引かないためそのまま横になることに。アキが近くの総菜屋で買ってきてくれたパスタを無理矢理口に入れて、持ってきた風邪薬を飲む。疲れが出たのかもしれない。明日は車の運転をしなければならないから何としても今日中に治さなければ。そのまま夜まで寝る。

23:00

目が覚めると、2人とも寝ている。アキが昼の総菜の残りと部屋にあったカッペリーニで作ってくれたスープパスタを温めて食べる。結構いける。

一日無駄にしたような気がしたが、体があっての旅行。薬を飲んで、無理矢理朝まで寝る。