2月20日 雨

朝、起きてコンタクトレンズをはめていると娘が

「だっだ、目が赤いよ」と。

そう、完全に寝不足。ブログを書くのを止めればいいって?そりゃ無理だ。僕はブログの魔力に一番取り付かれている。

娘「きょうねとべくつくねくねでかったあかいかさでほおくえんいくの」

僕「・・・とべくつ?」

起きがけでまったくエンジンのかからない頭で無理矢理変換を試みる。

「今日ね、特別に水戸芸術館のミュージアムショップで買ったMoMAの赤い傘で保育園に行くの」

ということか。

雨の市場は本気で寒い。なかなか風邪が治らない(熱のでない風邪は長引く)身にはその寒さがとてもしみる。アサリ/ハマグリ/金頭(カナガシラ:ホウボウに似た魚)/ホタルイカを買う。実は本当は使いたいけど、まだ手を出していない食材がある。「雲丹」と「牡蠣」だ。いつも迷う。パスタにしたら絶対に美味い自信はあるけど、足が早い(悪くなりやすい/鮮度が命)上に安くない食材だから怖いのだ。車エビまではなんとか手が出るけど、その二つは「もう少しお客さんが入るようになるまで待とう」と思っている。もしどうしても食べたい方がいらしたら、予約時に「ウニ/カキのパスタが食べたい」と言ってもらえれば朝仕入れておきますよ。

あの最低売上の日から少しずつ調子を上げてきている。うちの場合

調子のバロメーターはバンコ(立ち飲みカウンター)だ。バンコに人がいるとその日は大体忙しい。そして、昨日今日と立ち飲みとテイクアウトに勢いが戻ってきた。いい傾向だ。

夕方、昨日塩漬けして吊るしておいたパンチェッタを味見してみる。筑波のもち豚が入荷して作ってみたのだがかなり美味い。価格は友部の豚より約1.5倍くらいするが、仕方ない。価格据え置きで使おうじゃないか。イベリコは確かに美味い(初めて食べた時あまりの美味さにびっくりした!)。でもあまりに高い。そして対費用効果を考えると、この筑波のもち豚なんかはかなりいい線いっているんじゃないかな。シーザーサラダとクリームソースのパスタで食べられます。是非お試しを。

マイコミジャーナルのツェ・スーメイ展の記事でblackbirdの名前が紹介されています。


2月19日 晴れ

店にとって、ヒマであることのデメリット

→売上が立たない(そりゃそうだ)。

→仕入れを躊躇するようになる。これ。これが一番怖い。確かに、ロスを出してしまうのは怖い。実際、昨日の暇さでヤリイカをいくらか捨てるはめになった。大抵のものは、ランチやまかないに回したり、最悪自家消費(持って帰って家で食べることね)だってできるが、それにも限界がある。昨日見事にヒマだったから、今日一日仕入れしなくてもなんとかなりそうだったけど、一発奮起して市場へ。そしてそんな日に限っているんだよ。エビ。車エビ。生きてるのが一箱40尾。でもラッキーなことに今日は木曜日。鮮度のいい今の状態で氷で締めて(つまりは凍え死にさせるってこと。ごめんよ、エビ)おけば、土曜までかなりいい状態が保てる。今週末は予約もぽつぽつ入っているし、迷っている暇はない。そもそもこのエビ、寿司屋が生食用に買っていくものをblackbirdでは火をいれてパスタとグリルにしている。不味いはずがない。頭からしっぽまで丸ごといけて、殻はぱりぱりに焼くから香ばしく、身は甘みがたっぷり。全国のエビファンのみなさん、今こそ立ち上がる時ですよ。

ランチは大盛況。何なんだろう、この差は。ランチだけで昨日一日の売上を軽く越えている。みんなブログを読んで心配して来てくれているのだろうか?いや、そんなはずはない。長野在住の友人大沢瑠美から最近届いたブロッコリー、ルッコラが抜群に美味い。この先定期的に送ってもらうためのテストをしていて、その第一弾が3日前に届いたばかり。地産地消には反するけど、まず大切なのは「美味しいこと」。そこさえブレなければおそらく大丈夫。

あと、ピアノの先生をしている常連さんのヨーコさんがブログを見てタンゴのCDを持って来てくれる。早速店でかけてみるとかなりラフな録音で(狙っているのかも)、店の中の雑音とかも入っていていい雰囲気。なんというか、こういうのが一番うれしい。

結局一日終わってみたらまあまあの売上で一安心。


本日、車エビを40尾ほど仕入れました。

いままでは生きたまま箱に入れられ数日過ごしていましたが、

今回は新鮮なうちに一気に氷の中へ。

今週いっぱいはあると思いますが、エビに目がない皆様、どうぞお早めに。


2月18日 晴れて寒い

市場:アサリ、ハマグリ、小アジ(マリネ用)、本マス(ランチパスタ用)、ホタテ(殻付き/ディナーパスタ)
魚は当然丸(おろしてない状態)で買う。当たり前だけど魚を下ろす作業もずいぶん慣れてきた。

そして、今日一日の客数なんと20人!
売上過去最低!!
やっちまった・・・。
天気もよく、まったくそんな気配がなかったのにな。

「いや〜、景気悪いし」

「どこもきっと入ってないよ」

「この辺最近ぜんぜん駄目だからね」

「・・・」

全く人のせいにすること無く、売上を落とさない店にはどうすればなるんだろう。もちろんまだ初めて2ヶ月ちょい。知名度はぜんぜんだし、その辺のてこ入れは当然必要なんだろうけど、やっぱりもっと料理に力を入れていかなきゃ駄目だな。そして、そんな中でも来てくれたお客様にもっともっと満足して帰ってもらえるようにしないと。

 

うれしいことがいくつか。

ひとつめ。ランチ中、金沢からスーメイ展を見に来たお客様がblackbirdに来てくれたこと。たった5%割引だけど、力になれている手応えが少しだけ分かってうれしい。

ふたつめ。ランチ中、先日 iTunesストアで買ったアストルピアソラをかけていたら「これってアストルピアソラですよね。大好きなんです」と言ってくれるお客様がいたこと。なんでもアルゼンチンタンゴが好きで、習っていたそう。曲に反応されるのはとってもうれしい。

みっつめ。D&Dのナガオカさんや野口さんと一緒にNIPPON VISIONを企画したスタジオ木瓜の日野さんが常陸大宮の漆職人の辻さん、菅原さんと一緒に来てくれたこと。

小さなことで喜びを感じられるのは僕の何よりの特技かもしれない。

まずい、またこんな時間だ。寝なきゃ。


2月17日 晴れ/寒さ再び

市場で魚屋のにいちゃんに

「マリネにちょうどいい小アジがありますよ」

と言われ、買ってみる。店に戻って3枚おろし→皮を剥ぎ→塩で締め→白ワインビネガーとハーブのマリネ液に浸し→エクストラバージンオイルに漬けてみる。夕方ちょっと食べたけど、結構いける。もの凄く鮮度がいいから、生臭さも全く無し。明日の前菜に「アジのマリネ」が登場しますよ。

夜、予約が2件7名様。ってことはランチはヒマ?

予想通り、ヒマ。

ヒマ過ぎたので、アイドルタイムにシラトリさんのマッサージを受けに行くことに。気持ちよ過ぎて気づいたら寝てた(笑)

「おはようございます」

とシラトリさんに言われ起きる。最後は肩を揉んでくれる。なんというか、当たり前だけどプロの手つき。そっか、シラトリさんはこの腕一つで独立したんだ。よく分からないけど、揉まれた背中がほんのり暖かい。血液が勢いよく流れている感じがする。

そして、これまた予想通りに夜は大爆発。ご予約以外にも、芸術館御一行様が10人ほど。ありがたいな。そして、ご予約のお客様が帰りがけにスーメイ展の半券を差し出してくれる。やったー!ちゃんと見てくれている人はいるんだ、と嬉しくなる。


2月16日 曇り/少しだけ雨

昨日のブログであんなに偉そうなこと言っておきながら、売上的には惨敗。ランチはそこそこだったけど、予想通りディナーはずっこけ。

これが理想と現実ってやつだ。

 

帰宅後、店宛に来ていた応援メールに返信。全く知らない、会ったこともない人から時々メールが届く。よく分からないのだけれど、店をやっているとこんなにメールって届くものなのだろうか?いずれにせよありがたい。

 

iTunes-Music Storeで曲を買う。映画ブエノスアイレスで印象的なアコーディオンを聴かせるAstor Piazzollaのベスト盤。何といえばいいのだろう、哀愁?よく分からないけど、明日からblackbirdのBGMはタンゴ。コンテンポラリーラテンというよく分からないジャンルがiPodに出現した。

You Tubeでカエターノヴェローゾのライブを観る。なんて下手なギターなんだろう。そしてなんて素敵な歌声なんだろう。昔インタビューでジョンレノンが「僕はギターが下手だけど、僕の歌には僕のギターが必要なんだ」と言っていたけど、その気持ちがよく分かる。下手でいいとは言えないけれど、上手いだけならスタジオミュージシャンにでも任せておけばいい。大切なのはいかに「聴かせるか」だ。


2月15日 晴れ

一日中寝る。

体が溶け出して、ベットの一部になってしまったかのよう。でも疲労と風邪がゆっくりと体のなかから抜け出していくのが分かる。

 

ツェ・スーメイ展のキャンペーン、正直どのくらい効果があるかは分からない。芸術館の現代美術担当の方には直接提案し賛同を得たが、なにぶん広告の媒体がこのブログと店頭のみ。やる価値があるかは未知数。でもどうにかして応援したいという気持ちだけの企画だ。僕は、お世話になっていたD&DEPARTMENTナガオカさんの「依頼がある前に企画提案行動するのが本当の意味でのデザイナー」という考え方の下で4年間働いていた。僕はデザイナーではなくただの料理人だが、モノをつくるという意味では同じことのように思う。

店をやっていると「今度〜特集があるんですが、載せませんか?」「今キャンペーン中でかなり割安なんですがいかがですか?」という営業の方が沢山いらしゃる。協力したいと思う気持ちもあるのだが、でもウチは独自のやり方/アイディアで切り開いていこうと思う。はっきり言って僕の店がある水戸駅北口はかなり閑散としてきている。郊外にできた大型ショッピングモールに人が流れているのが大きな原因だ。彼らにはマーケティング力も、大型駐車場も、資金力も、人員力も、広告力もある。

じゃぁ僕らはどうすればいいのだろう?

指をくわえて見ているだけじゃなく、せめて独自のアイディアとそれを実践出来るくらいの勇気くらいは持っていたい。この先の命運をお金だけ出して人任せにするようなことをせず、誰かのせいにもせずにやっていく。どんなに小さな車でもつねに自分がハンドルを握って運転していくという覚悟をもっていきたい。

話がとても大袈裟になってしまったけど、あの場所であと何10年も商売をしていかなければならないのだ。勝手に衰退していってもらっては困るから、僕たちは僕たちの力で無理矢理にでも盛り上げて行く。そのためのアイディアはすでに持っている。

 

そしてtrattoria blackbirdは新たなステージに昇るための準備として3月7日(土)を臨時休業とさせていただきます。


2月14日 東京は21℃、静岡は夏日だそうだ。

夕方、あがったアキがテラスで赤ワインを飲んでいる。blackbirdのテラスからはビルに沈む夕日が見える。ビールでも飲みながら一杯やったら気持ちがいいだろうな。今から暖かい季節が楽しみだな。僕は働いているから無理か。いいなみんなは。

ディナーのご予約のお客様に帰り際
「風邪は大丈夫ですか?ブログ楽しみにしてますよ。」
と声をかけられる。なんでも書いてるから当たり前だけど、なんでもお見通しなんですね。風邪は本当にギリギリセーフ。今週は本当にキツかった。でもなんとか終わった。
 

帰宅後、ひょんなことからYou Tubeでブエノスアイレスのトレイラーを見る。
blackbirdはこの映画、「ブエノスアイレス」に出てきそうな店をイメージして作られている。猥雑で、時代遅れで、タンゴとか踊っちゃって。なんでこんなにダサイのに、なんでこんなに素敵なんだろう。カエターノヴェローゾの優しい歌声がどうしようもなく沁みる。タイル張りの部屋でレスリーチャンとトニーレオンがタンゴを踊るシーンが頭の中でぐるぐる回っている。


2月13日 曇り/強風

新ジャガ、菜の花、空豆。気分はすっかり春である。

 

分かったこと。

ランチが忙しいと、夜がヒマ。その逆も真なり。

という訳でランチはそこそこ。夜は強風のため?全然ダメ。

 

店で出しているものでお客様に「これ売ってないんですか?」「売ったらいいじゃないですか?」といわれるものがある。

●バーニャカウダ(ニンニクを牛乳で煮て、アンチョビを加えたペースト)

2月に入ってからなぜか大人気のバーニャカウダ。どうやら水戸ではあまり食べられるところがないらしく、かなり好評。「カニ味噌?」と聞かれることが多い。

●タプナード(オリーブ、アンチョビ、ケーパー、ニンニクのペースト)

フレンチフライに添えているが、基本的に何にでも合う万能ペースト。パスタの隠し味にも。これも「カニ味噌?」と聞かれる。作り方を聞かれる一番の料理。

●パンチェッタ

豚バラ肉を岩塩とニンニクで漬け一晩置き、暖かいところで乾燥させたもの。強い旨味があり、塊で譲ってくれという声多し。

とりあえず、今のとこと売る気はなし。いつか量産出来るようになったら分からないけど。


2月12日 晴れ

朝、ダルい。熱はなさそうだが、全体的に薄い膜に包まれているような感覚でぼーっとしてしまう。こういう時に市場に行くのはなかなかしんどい。こっちもパワー全開でいかないと負けてしまうのだ。でも行かなきゃ店を開けられない。

今日の収穫・・・アサリ、ハマグリ、マツバガニ、金頭(カナガシラ)

 

ランチオープン直後、シラトリさんご来店。出勤前にエスプレッソを引っ掛けて行くらしい。何日か前にも書いたが、立ち飲みとテイクアウトがかなり好調だ。何日か前には仕事帰りの女性3人が、ショーケースの前菜3種盛りを肴にビールを引っ掛けていった。犬の散歩の途中でコーヒーを買っていく人。隣の木村屋さん(パン屋さん)の紙袋を持ってコーヒーを買っていく人。どこかで一杯飲んだ後にふらっと来てエスプレッソだけ飲んで帰る人。みんな使い方が上手い。

予想通り、昼はヒマ。メニュー作成を進めるためにアキを早めにあげる(来週からドリンクメニューが少し新しくなります)。アキはイラストレータの作業にずいぶん慣れてきたようだ。

 

ディナー。またシラトリさんご来店。仕事を中抜けしてエスプレッソを飲みにきたそう。あんたイタリア人?と(心の中で)つっこみを入れる。

8時前まで全然お客さんが来なくて仕込みが進む進む(笑/泣)。でもそこから団体様2組。助かった。そしてやっぱり水戸中の文化人(生活の中心に芸術/文化がある人)がどかどかとblackbirdに押し寄せてきているように思える。いや、思えるなんて中途半端な言い方じゃ足りない。

押し寄せてきている!!!

なんなんだろう?毎日毎日、次から次へと繋がっていく人の輪。

でも近所のおじちゃんや、子供連れも普通に来てくれる。

ルールはただ一つ。

「パスタとエスプレッソは熱いうちに!」

これだけ。

 

終わって疲れたけど、妙なテンション。風邪もこのまま治まってくれないかな。