12月18日
朝、市場にエビがいない。
普段は申(サル)エビという近海で捕れる小さめだけど殻ごと食べられてうまみたっぷりのエビを仕入れていたが、どうやら今日はないらしい。いつもの兄ちゃんに「エビ、いいの無いっすか?」と聞いたら出てきた、凄いのが。
活車エビ。一箱、63匹入り。値段は破格(の安さ)。どうやらスポットで少量入ってきたものらしい。2秒くらい迷うが、うにょうにょ動いているエビがあまりにも美味そうで買ってしまう。そう、エビに目がないのだ。そしてシーフードトラットリアの名にかけて、新鮮で美味しい魚介を仕入れるのが僕の一番大切な仕事なのだ。ロスになったら全部食ってやる!保存方法等、詳しく聞くと涼しい場所なら3日くらい生きているらしい。よし!土曜日までエビフェアだ!
昼はヒマ。ちょうど1回転くらいかな。
ディナー前に例の車エビで「トマトクリームソース」を作る。・・・美味い!美味い!これだから料理人はやめられない。一緒に買ってきたイトヨリのズッパディペシェ(魚介とトマトで煮込んだスープ)も最高!
馬鹿げた話に聞こえるかもしれないけど、最近自分自身料理が上手くなったなと思う。お客さんの反応を見ていても分かるけど、自分の実力以上の皿が作れているのがハッキリ分かる。
なぜか?
素材に依存しているから。
僕の作る料理は本当の本当に馬鹿みたいにシンプルだ。オイルとニンニク、ペペロンチーノ、アンチョビ、白ワイン、タプナード、少しのハーブ、パルミジャーノレッジャーノ、最後に塩。徹底的に何もしない。仕込みもほとんどしない(というか時間的に出来ない)。ちょうどいいアラや中骨がない日はブロード(出汁)すら取らない日もある(そんな日はアサリに活躍してもらう)。魚も鱗と内蔵を取って煮っぱなし、焼きっぱなし。野菜も同様。久松さんの野菜は有機だから皮すら剥かないものもある。適当に切ってそれぞれの野菜ごとに適切に火入れする。オーブンは常に低温。入れっぱなしで30分とか1時間とか平気で入れておく。水分を少しずつ飛ばして、うまみを凝縮させる。毎日6〜8種類の前菜を仕込んでいるけど、ほとんどが焼きっぱなしの野菜。手前味噌になってしまうけど、それが実に美味いのだ。そしてお客様の反応もとてもいい。美味しい素材は始めから美味しいから、徹底的に料理しない。引き出してあげればいい。
ディナーのオープンと同時に一組のカップルがバンコ(立ち飲み)に。
「カプチーノ。クマちゃんで」
「クマちゃんで?(笑)」
なんで知ってるのか聞いてみたらどうやらブログを読んでくれているらしい。お客様で、ブログを読んでくれている方が本当にたくさんいらっしゃることに驚く。アクセス数もオープン以来激増。いろいろな方が紹介してくださっているおかげだろう。みんな「キミがフジオね」みたいな感じだし。そして、info@blackbird-mito.comにも全く知らない方からブログの感想のメールがたくさん届く。ブログってなんなんだろう。最近は眠くてきちんと書けないことが多いけど、がんばって書かなきゃな。
7時頃、高校の同級生が奥さんと一緒に突然やってくる。「あれっ?なにしてんの?」どうやら、常連第一号のツバキさんから聞いたらしい。そしてびっくりすることに市内で4年半前から「そばまさ」というそば屋をやっているというのだ。絶対食いにいこ。来てくれてありがとね。
7時半、前日にメールで予約をしていただいた方のご来店。blackbirdも一丁前に予約が入るようになった。そして日々売上的には惨敗だが、ファンになってくれそうな人が冗談抜きで毎日来てくれている。ありがたい。
